第112回: 推しが結婚する未来
11月12日、ハッピーポッキーデーの翌日、日本に激震が走った。
日本の国民的アイドル、嵐の二宮和也さんが結婚することを発表したからだ。
TLは荒れていた。というか、先にも述べたが日本全体が荒れていた。(まさに嵐だった、とかは言いません。言ってしまった。)
全オタクが、「推しの結婚」を強く意識した(と思う)し、多くのアイドルが「結婚」について考えたのではないかと思う。
妹さんも他部に漏れず考えた。嵐は国民の一人として好きだったので、「なんで2020済んでからじゃダメだったのかな」とか考えた。が、推しというほどではないので彼についてはそこまでだった。
問題は「自分の推しが結婚したら自分はどう思うだろう」にあった。
改めて自己紹介をさせていただきますが、妹さんはアイドルグループMeseMoa.を箱推ししています。ごあいさつ遅れすみません。よろしくお願いいたします。あ、自分のことを「妹さん」って呼びます。そういう名前です。嘘の名前です。
とにかくめせもあ 。さんを箱推ししている。と同時に株式会社DDのアーティストを愛でているし、好き。
話を戻すが、「推しが結婚する」と知った時、自分はどうなるのだろうか。
正直その状態にならなければわからないとは思うけれど、多分祝福できると思う。
でも推しと結婚した嫁さんも愛せるかというと、必ずしもそうではない。
どこかの国のことわざに「私が好きなら私の飼い犬のことも愛せ」みたいなものがあったと思う。飼い犬は愛せる。というか、動物と戯れる推し、という尊いものがセットになり、崇め奉るまである。しかし、嫁となると違う。嫁は飼い犬ではない。
アイドルの結婚をいまいち祝福できない自分の理由を探してみる。
そうする中で、いくつかの説が出た。
説①推しがいつまでも若すぎる説
これじゃん…!
思いついた時は自分のこと天才なんじゃないかと思った。最近のアイドルってほんと年取らない。というか若返ってる。そうやって時が止まっているかのようにこちらに錯覚させておいて、実は実像は虚像よりもずっとずっと先に進んでいる。だから、いきなり結婚、なんて言われてもショックを受ける。
そうだ…これだ…。と思っていた。しかし気づく。推しの成長を誰よりも知っているのは誰?
おこがましいかもしれないが、私はオタクが一番推しを細部まで見ているんじゃないかと思う。そんなオタクが、推しが変わっていくことに気が付かないなんてあるだろうか。いや、ない。
しかも、推しがなんども週刊誌に撮られて、何度も誰かとの交際を報じられていたとして、果たして結婚はショックじゃないのだろうか。クッション置きまくってるし、助走つけまくってるし、いけるだろうか。答えは否。
確かに変わらない推しに置いていかれるというのもあるかもしれないが、違うようだ。
次を考えよう。
説②推しは自分の人生に深く関わっているのに自分は推しの人生を全然知らないことを思い知らされるから
これはツイッター見てたら流れてきた説。これじゃん…。そう思った。
推しは自分の人生に喜びをもたらし、価値観を変え、時に泣かせたりもする。しかし自分は推しの人生のことなんて何も知らなかったんだ…。それはショックだな。そう思った。
いや…でも待て?
これって推し→オタクに関しても全く同じことが言えるんじゃないのか?
オタクは自分(アイドル)の人生に(推されるとか、人気になるとかそういう)喜びをもたらし、直結的に金銭的にも関わってくる。というか、むしろアイドルの方が生活とか掛かってるし必死。オタクの方はオタ活の調節とかできるのかもしれないけどアイドルはそうもいかない。しかもオタクはいきなり結婚報告もしてくる。結構ライトにしてくる。
思い知らされることはショックだが、それだけじゃないのかもしれない。
じゃあ何か。最終的には、自分の胸に答えを探した。
説③アイドルとオタクといういびつな関係
初歩の初歩に立ち返る。アイドルとオタクって何なのか。
私にとってアイドルとは何か、考えてみる。
以前の自分の発言を見ると、「アイドルは人間ごと推している」みたいなことを言っていた。ガチ恋とかそういうの関係なく、私たちはアイドルを愛している。
だから、私たちオタクはアイドルに「好き!」と伝える。それにアイドルは「ありがとう!」と返す。時には「俺も好き!」と返してくる。誰も「その気持ちは受け取れない、ごめん」とは言って来ない。言ったとしても、冗談や演出とオタクが思える範囲にとどまる。
「好き」という気持ちを伝えて、相手がそれを受け入れた時、人と人はどうなるんだろう。何か見えない特別な約束でも成立するんじゃないだろうか。
アイドルはそうやって、オタクにとって「愛していいひと」になる。
対して、オタクはアイドルにとって「愛してくれるひと」になる。
あくまで受動的な関係を作るアイドルに対し、オタクは主体的な関係を作りにいく。
ここがいびつになる。
恋人関係であれば、すぐに破綻してしまうと思う。でも不思議なことに、アイドルとオタクにはこの関係が成り立ってしまう。
主体的にアイドルを愛しているオタクは、頼まれなくてもアイドルの情報をチェックし、頼まれなくても(時に宣伝を受けることもあるが)現場に行き、頼まれなくても推しを応援する。どんなに頼まれているように見えても、自分で決断してやりたくてやっている。
そうやってアイドルとオタクの関係はオタク主導で動いていく。どんなに手のひらの上で転がされていようとも。
そんな中に突如現れる「結婚」の二文字。
「愛していいひと」「愛を受け入れてくれるひと」のはずだったアイドルが、強い愛で他者と結ばれていると唐突に知る。
今後愛を捧げていいのか、いにしえより自分の中で生き続けている何かが、ストップをかける。自分の届けていた愛がどこまで受け取られていたのか、それさえわからなくなる。
無償の愛、という言葉は知っている。知っているし、自分のアイドルに対する気持ちもそれに近いと思っていた。しかしその「無償の愛」なんていう名前のやつは、自分の知るところよりもっともっともっと想像のつかない場所にあって、アイドルの結婚をおめでとう、と言えたとしても、まだ手に届かないくらい得難いものなのではないかと思う。
アイドルとオタクの間にある、名前をつけるのが難しい、というか、妹さんはまだ知らない名前の、いびつな愛。これが「推しの結婚に対する複雑な気持ち」を作るのではないかという結論に至った。
なんか難しい話し方をしてしまった。
正直考えは変わると思うし、いろんな考え方の人がいると思うし、みんながみんなこうじゃないと思う。だからちょっと自由に話そうねコホン…
推し、推したち、頼むから人間としての人生謳歌してくれ〜〜〜〜!!なんのためのハンドルネームなんだ????君たちは虚像!!!君たちは虚像!!!!私は虚像を見てきゃっきゃ言ったり虚像とチェキ撮って喜ぶアホでいいから!!!人生楽しんでくれ〜〜〜〜!!!!!欲を言えばただ虚像の方に実像での受け入れがたい事実は持ち込まんでほしいな〜〜〜!!!!アホでもつらい場合あるぞ〜〜〜!努力するけど!!!受け入れる努力するけど!!!!でも正直自分の推しがパパとかもすごい推せる;;なにその世界線;;いやショックもあるけど!!こちとらカスタマーだからさ〜〜〜サービス頼むよベイビ〜〜〜!!!なんか上手いことやっていい感じにハッピーな未来作り上げてくれ〜〜〜!!!幸せになってくれ推し〜〜〜!!実像の君もね!!!!!
おしまい
p.s. 最後に最高にハッピーなMeseMoa.さんのウエディング・ソング聞こうね!!(妹さんはこれで推したちが父になる妄想をしてご飯3合平らげました)