第91回: Cry for the Moonを愛する会 ※ネタバレ大いに注意
こんばんは、妹さんです。
時が経っても褪せることのない魅力を持つMeseMoa.×砂岡事務所ミュージカルCry for the Moon。
浅井さやかさんという天才の創造した素敵な素敵な世界です。
色々考えるところがあったのでちゃんと裏付けながら書き留めたかったのですが、なんとこのタイミングでDVDプレイヤーがお亡くなりになりました!!チーン🙏なんもワカンねぇ〜
しかも妹さんは音楽もミュージカルも別に知識がない!ただこのお話が好きなだけ!
(平常時と同じ)「何言ってんだこいつ」という気持ちで読んでいただければと思います。
このブログを書くにあたり、月詠がはじめに教えてくれたヒントを大切にしています。
進化したこの星 美しく合理的な世界
無駄なものは何一つない
全てがコントロールされ
乱れること 崩れることは ありえない
それが我らが月
(Let's study)
そして地球について。
いのちみなぎる星
恐ろしく非合理的な世界
無駄なもので溢れかえり
全てが この月と違う
乱れることも崩れることも 恐れない
それが隣の惑星 地球です
(同上)
1. Cry for the Moonの主題とも言える謎は解けたのか
CFTMは基本的に、朔夜たんの好奇心により物語が進んでいきます。お話を見ていると、彼が求めている真理がいくつかあります。
・「あの碧い星がどうしてこの月と違うのか?(中略)隣の星なのにどうしてこんなにも違うのだろう…」(Let's study)
・「なぜ…地球に惹かれるのか…?」(かぐや姫物語)
あれ、二つしか思い出せなかった(テヘ)。この二つが大切なテーマなのだろうと思います。
後もう一つのテーマは「海月の悪夢はどうすれば終わるのか」。
この3つのテーマのうちの二つ、「なぜ地球に惹かれるのか」と「海月の後悔を解消する」は、物語の中でわかりやすく解き明かされます。安易ではありますが、朔夜が地球の血を引くからこそ、地球に惹かれたのでしょう。海月の悪夢は、真実を知ることで終わりを告げます。
それでは、「地球と月がどうして違うのか」の答えはどうなったのでしょうか。わかりやすい答えは出ているのでしょうか。この記事における大きなテーマはこれです。
後ほど、詳しく考えていくとしましょう。今は、他の気になるところをみて、物語を紐解いていきます。
2.憧れのメロディー
CFTMの音楽たちは、一通り全ての曲がメドレーにできるような統一性を持ちながら、かつ教師陣の持ち歌一曲一曲さえ被らない個性を持っています。しかし、メロディーを合わせている、と感じる対になる曲もいくつかあります。
Let's study(朔夜)&告白
これらがその一つです。同じメロディーを持つ曲には、似た気持ちが表れています。しかし一方は知的好奇心、もう一方は恋心。恋心であれば「紡ぐ歌」や「惹かれる理由」にも登場します。博士の恋心と朔夜の地球への憧れをわざわざ対比させる理由はなんなのでしょうか。
「憧れ」以外にも、この二曲にだけ存在する共通点があると考えます。
それは何か。朔夜は無邪気に地球に憧れているので共通しているのは「罪悪感」や「秘密」ではないし…。
一つ思いつくとすれば「戸惑い」でしょうか。両者とも、なぜ憧れるのか、という思いが憧れに混在しています。ここで、Let's studyで月詠が教えてくれたヒントが生きてきます。
月は「乱れること崩れることはありえない」、それに対し地球は「乱れることも崩れることも恐れない」。博士と朔夜の「憧れ」を「乱れること崩れること」と捉えるならば、月の住民である博士である博士が「姫への憧れは持ってはいけない想いだ」と”乱れ”を恐れている姿に対し、朔夜が「この憧れはなんなんだろう?」と、自己の探究心=”乱れ”にまで強い興味を持っていることは、朔夜が乱れを恐れていないことの顕れ、つまり、地球とより強いつながりを持っている証拠となるのではないでしょうか。
もう一つ、もしかすると”乱れ”を持っている博士の地球への近さも、大切なのかもしれません。この物語の中で博士を生粋の月の住民と捉えるのは安易な気がします。
3.博士の存在
博士は、2で述べたように、”乱れ”を持っています。
さぁ、そもそもなぜ「かぐや様をお慕い」する気持ちは持ってはいけないものなのでしょうか。身分違いなので当たり前かもしれませんが、ここでも月詠のくれたヒントを元に別の理由を考えます。
地球のことをわざわざ「命みなぎる星」と表す理由。もしや、月には人と人が結婚し子供を授かる、つまり、恋をする、という文化がないのではないでしょうか。
不老不死の薬があるぐらいです。新たな生命の誕生に意味などありません。人口のコントロールが乱れ、無駄なものが増えるだけです。
その中で「恋心」を持った博士。これは他者との大きな違いです。
博士は月の住民の中でも、かなり地球に近い存在の可能性があります。もしかすると元地球人なのかもしれません。
さらに、博士の行動に1の答えに近付くヒントがあると考えます。
4.嘘
博士は「かぐやに故障した天の羽衣を着せる」という嘘をつきます。
他の月の住民たちは、嘘をつくでしょうか。わかりやすいシーンがいくつかあります。
「海月が先ほど申した通り、かぐや様はご無理をなさってまで上様に会いに来られた…お声は…その…」 (弓弦)
地球の生活が長い弓弦でさえ、嘘がつけません。他の月の住民も、嘘はついていないような気がします(自信ない)。
それに対し、海月は嘘がつけない弓弦に代わってとっさに「声を月に忘れてきた」という嘘をつきます。
そして、上様もまた、「最後に一目会えてよかった。本当に、ありがとう」と嘘をつきます。
朔夜とかぐやは嘘つきまくりです。
ここで、1「地球と月は隣の星なのになぜ違うのか」の答えがなんとなく見えてきます。
色々な複雑な想いに対して、時に誤魔化したり、耐えきれなかったりしながら生き、朽ちていくことを選んだ人たちの住む星が地球。
複雑なことは整理してコントロールするのが月。
朔夜は月詠先生の説明を「教科書に書いてあるような答えで嫌だ」、と言っていましたが、結局その回答が、朔夜の求める答えを端的にあらわせていたのではないかと思うのです。
しかし、博識の月詠でもさすが月の住民、地球の住民の気持ちをうまく言葉にすることは難しかった。
月詠の言語化しきれなかった地球の持つ何か、それが、愛なのではないでしょうか。
地球と月が大きく違うのは、地球には全てを包み込む強い愛があって、乱れや崩れを受け入れられるからです。
さて、ここで私がこの記事で書きたい答えは出ました。あっけない終わりすぎて、考え足りないのではないかと思います。いいです。ゆっくり考え続けます。
もう少し書きたいことがあるので続けます。
5. 歌の存在
歌は、どこから生まれたのでしょう。
この話の中で最初に歌うのは海月です。Cry for the Moonの世界の中でも、はじめに歌を歌ったのは、登場人物の中では海月なのではないでしょうか。つまり、歌、という文化を月に持ち帰ったのはかぐやで、それ以前は月に歌はなかった可能性があります。
そう思う理由の一つに、「弓弦がオリジナルの歌を持たない」ことがあります。弓弦たちは、かぐやをも育てた古からの教師たちです。弓弦以外の教師陣にテーマソングがあるのなら、弓弦にあってもおかしくないはず。それがないのは、かぐやが地球に出向いて以降、弓弦がずっと地球にいるからなのではないでしょうか。
そもそも、無駄を望まない月の住民があんなに歌うのは、少し不自然な気がします(歌が無駄なもの、というわけではないとは思いますが)。
かぐやが記憶というより、文化として持ち帰った歌に、もともと芸術の教師であった豊が共鳴し、月に歌が広まったのではないでしょうか。
これは、どうでもいい考察に思えて、意味があります。それは、海月の出生についてです。
海月の出生は、謎に包まれています。名前もわからず、泣いていた。
もしかしたら元々月の子で、手違いから竹型ワープ装置で運ばれてしまったのかも?!なんて思いました。でも、この「歌は地球発祥説」が成立すれば、歌を知っている海月はれっきとした地球人ということになります。もしかすると、元地球人疑惑のある博士がなんらかの理由から地球に置き去りにしてきた子…だったりするのかな、とか考えるのもワクワクしますね。年齢合いませんけど。
6. 朔夜はどうやって生まれたのか
最大の謎これ!!!!朔夜はかぐやと帝の子供だとして、おいどうやって産んだよ。
かぐや様のお子が生まれるとなると、相当の騒ぎになるでしょう。それがちゃーんと「弟」として通っている。なぜだ。困ったら博士に逃げる私は、博士がそのお産に携わったのではないかと考えています。その時の状況を考えると、「故障した天の羽衣」はかぐやと博士の共犯…。「かぐやが、愛しい人に会えない辛さを味わったとしても、その人との子供である朔夜が近くにいるという幸せを忘れないようにしてあげたい」そして「不老不死の薬で若い姉として生きるよりも、成長する朔夜とともに老いることで明らかにはできない母親としての気持ちを尊重させてあげたい」という優しさ…。
ハァ〜〜〜〜〜〜優しすぎんよ博士〜〜〜!!!
もう尊いのでそういうことにしとこう…やばい…全く歪んでない…愛が深い…。
7.上様の愛
これは謎でもなんでもありませんが。妹さんは「再会の作戦〜会いたい」という曲が大好きです。地球人の優しい嘘、イコール愛に溢れた一曲です。
海月の嘘に勘づいた上様の優しさ。
最後に一目会えてよかった 本当に ありがとう
この一文が、海月の優しいうそに対するものであることは言うまでもありません。しかし、この前にも、優しさを感じるのです。
私は年をとったであろう それがこの星では当たり前のこと
積み重ねる年月がこの体に刻まれ こうして老いていく
自分、そしてなんらかの理由で代わりのものが来たかぐやに死が近づいていることが悲しいことではないと 、朔夜、そして海月に伝えているのではないだろうか。二人の父として。
涙が出ますね。
Cry for the Moon、大好きです。ありがとうございました。
もし気が向いたらコメントくださると嬉しいです。今回はなんか…。